2024年2月14日に行われたウェルスナビ株式会社の「2023年12月期 第4四半期決算説明会」の内容をまとめました。
結論、23年12月期の前期経常は2.4倍増で2期連続最高益・10-12月期(4Q)経常は赤字転落。なお、24年12月期の業績見通しは開示しませんでした。
本記事では、ウェルスナビ株式会社の企業概要や事業モデル、決算概況などをざっくりとまとめています。
※免責事項※
この要約は、会社の決算報告書を元に作成されていますが、その正確性や完全性について保証するものではありません。投資や意思決定を行う際は、独自の調査と専門家の助言を受けることをお勧めします。
ざっくりとわかる!企業サマリー
ウェルスナビ株式会社は、日本の金融テクノロジー企業で、個人向けの資産運用サービスを提供しています。
7342 ウェルスナビ(株) [ 金融商品取引業 ]
【URL】https://corp.wealthnavi.com/
【決算】12月
【設立】2015.4
【上場】2020.12(東証グロース)
【代表者】柴山 和久
【資本金】39億6,578万4,950円 ※2023年12月31日現在
【特色】ロボアドバイザー活用した全自動の資産運用サービスを提供。手数料収入は預かり資産の1%
同社のミッションは、「働く世代に豊かさを」実現することです。
2023年12月期の事業進捗では、ダイレクトおよび提携パートナー事業が成長を牽引し、預かり資産が1兆円を超え前年比37%の成長などが報告されています。
三菱UFJ銀行との資本業務提携契約は、ウェルスナビのミッション実現に向けて加速するための取り組みであり、より積極的に取り組む考えが示されています。
事業モデル
ウェルスナビは、ロボアドバイザーを中心とした個人金融資産プラットフォームを提供しています。
ロボアドバイザーとは?
世界の富裕層や機関投資家が実践する「長期・積立・分散」の資産運用を、テクノロジーの力で自動化。ノーベル賞受賞者が提唱する理論に基づき、厳選したETF(上場投資信託)を通じて、世界約50カ国1万2,000銘柄に分散投資するものです。
資産配分の決定から発注、積立、リバランス、税金最適化まですべて自動で行います。
自動化された資産運用サービスを通じて、顧客の投資目標やリスク許容度に合わせた最適なポートフォリオを構築し、運用しています。
2016年にサービスをスタートし、国内No.1のロボアドバイザーとして成長。将来的には、イノベーションを通じて資産運用の民主化を目指し、付加価値の高いサービスを提供する方針を示しています。
2023年12月期通期の事業進捗
当社はビジネスモデルの特性により、安定した収益と高い成長率を維持しています。
2023年12月期通期の事業進捗をまとめると以下です。
- ダイレクトおよび提携パートナー事業が成長を牽引
- 約20の金融機関および事業会社を通じてサービス提供
- 預かり資産が1兆円を超え、前年比37%成長
このように、事業モデルの特徴である自動化された運用や透明な手数料が成果を示しています。
「おまかせNISA」の進捗
NISAの非課税メリットを活用しながら、世界水準の「長期・積立・分散」投資を「おまかせ」で行うことができるサービス「おまかせNISA」。こちらの事業進捗も見てみます。
- 運用者数は昨年末で7.5万人の運用者数であり、四半期で約5,000人増加
- 新しいNISA制度に全面的に対応し、1月末時点で8.2万人の運用者数となり、前年比60%増加
一時的に新規顧客獲得に苦戦したのは、NISA口座変更時の手続きに時間がかかる特性も影響したと考えられます。
企業の決算概況
通期の決算概況は、
- 営業収益が前年比24.3%増の81億6,700万円
- 営業利益は前年比149.6%増の5億2,300万円
を達成しました。
営業利益率は242.4%で、計画を上回る好成績を収めました。
特に、簿価の預かり資産が堅調に成長し、好調な株式市場と円安の影響もあり、時価の預かり資産が計画を上回る結果となりました。
第4四半期の営業収益は前年比28.8%増の22億7,400万円であり、
営業利益は▲500万円となっています。
今期の事業方針
今期の事業方針は以下です。
- 中長期的なフリーキャッシュフローの最大化を目指し、預かり資産および営業収益の成長を重視する
- 従来の経営方針や運営方針に変化はなく、「働く世代に豊かさを」のミッションを追求し、利用者数拡大と預かり資産増加を重要視して、中長期的な資産形成をサポートする
2024年12月期の業績予想が非開示の理由
2024年12月期通期の業績予想が非開示となっている理由は、現時点では今期業績への影響を精度高く見通すことが難しいためです。主な背景は下記の2点です。
- 新しいNISA制度に伴う運用者の増加や入金額の増加
- 2/14に開示された「三菱UFJ銀行との資本業務提携」の影響が具体化していない
今後、適切および合理的に算定できるタイミングで、業績予想の開示をしていく。
三菱UFJ銀行との資本業務提携について
三菱UFJ銀行との資本業務提携の目的は、ウェルスナビの個人向け金融プラットフォームへのサービス展開を強化し、ロボアドバイザー事業の成長を加速させることです。
提携内容は、三菱UFJ銀行の顧客基盤を活かして、個人のお客様に対して「WealthNavi for 三菱UFJ銀行」の連携を強化し、ロボアドバイザー事業の顧客獲得に取り組むことが挙げられます。
結論
ウェルスナビは、ビジネスモデルの特性により安定した収益と高い成長率を維持しており、預かり資産も前年比37%成長しているなど、好調な成績が読み取れます。
2023年12月期において三菱UFJ銀行との資本業務提携を通じて、どのような影響・成長があるのか楽しみです。
参考文献・引用元
- 2023年12月期 第4四半期決算説明会 書き起こし|ウェルスナビ株式会社(2024年2月16日)